2019年

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パリにおける日仏伝統工芸交流 

8月にも一部ご報告しましたが、12月にパリで開催される《Maître d’Art(メートルダール)25周年記念事業》の全体の流れが決まりました。

開催期間は12月12日(木)から15日(日)の四日間。
パリのサンジェルマンデプレ広場に面したHôtel de l’Industrieという由緒ある建造物にて開催されます。

主催の「メートルダール協会」は、記念事業にあたってはドイツを招待国としており、独工芸協会とも言える「Meisterrat – German Craft Council」が参加します。

会場には、仏独の工芸家の作品展示はもとより、名門フランスのセーブルやドイツのマイセンが華を添えます。

そして私ども「匠」はイベントのパートナーとして参画し、オープニング初日には私たちの活動を紹介する講演会を開きます。

更に二日目には日仏独の著名工芸家によるシンポジウムを企画、日本からは京都友禅の人間国宝、森口邦彦先生がご登壇なさいます。先般、マクロン大統領も、京都の先生の工房を訪問なさいましたが、先生の渡仏にフランス側は大変喜んでいます。セーブルとマイセンの陶磁器に並んで先生の美しい着物も展示され、日本の美を披露する良い機会になるものと確信しています。

私ども「匠」としては、日仏の伝統工芸交流にまた一つ貢献ができるものと期待しつつ、現在準備作業を加速中です。

フランス人間国宝制度25周年記念イベントの準備

私たちは昨年11月、パリの装飾美術館で“日仏人間国宝によるシンポジウム”を“ジャポニスム2018”の公式イベントとして開催いたしました。日本からは蒔絵の人間国宝・室瀬和美先生に、そしてフランス側からは紋章彫刻のメートルダール(Maître d’Art)・Gérard Desquand氏にご参加戴きました。このメートルダールという称号はフランス政府が日本の人間国宝制度にならって創設した制度であり、フランス文部省のホームページにも「日本の例に習った」との記載があります。このシンポジウムを通して私たちはDesquand氏の紹介でメートルダール協会のBenoît会長、Guillet-Lubrano名誉会長、その他多くのメートルダールの方々と親しいお付き合いを始めることができました。そしてパリを離れる前に先方から2019年はメートルダール制度設立の25周年にあたり、記念行事を12月に行うので是非日本から貴団体にも参加戴きたいとのお声掛けを頂戴したのでした。

 

これを受けて今年の5月に北原事務局長の訪仏時に行事の全体像が以下の通り判明しました;

- 25周年記念事業の開催期間は12月12日(木)から15日(日)までの四日間であること

- 初日のオープニングセレモニーには仏文部大臣以下、工芸関係者の賓客による祝辞が述べられること

- 二日目にはゲスト国であるドイツのマイセンやフランスのセーブルのメートルダールを中心としたシンポジウムが開催されること

- 期間中は工芸のワークショップ、展示会、コンサートなどが行われること

 

そして私たちには以下の参加打診がありました;

- 初日のオープニングセレモニーにおける近藤代表理事の祝辞

- 同日、弊社の活動紹介のConference開催

- 二日目のシンポジウムへの日本の人間国宝の参加

- 同作品の展示

 

現在これらの準備作業に専念していますが、日本の人間国宝のシンポジウム参加に関しては京都友禅の人間国宝、森口邦彦先生のご参加につき、ご快諾を得ることができました。大変名誉なことと感謝しております。特に7月に大阪で開催されたG20サミットの際にはフランスのマクロン大統領が森口先生の工房を訪問されたことでもあり、フランス側も大変喜んでいます。

 

9月には再度北原事務局長が訪仏し、参加企画の詳細を詰めてきます。

 

 

上半期そして7月の交流会報告

「匠」のわざと精神の復活を目的とする当法人のこれまで(2019年6月まで)の活動は、伝統工芸の人間国宝の方々や、伝統的礼節、落語にみる江戸っ子気質、美術史(日本人にとって美しいとは)、科学、VR等さまざまな分野の第一線で活躍している方々に、対談形式を通じて日本人の本質を論じて頂き、有識者の方々に匠の重要性をアピールすることを中心に展開してきました。
 

これらが、我々の第一の使命である「伝える」に属するものであるのに対し、第二の使命である「与える」の活動として、7月に、地域で活躍する若手工芸家に、ビジネスを通じて内外の社会とつながる機会を提供する「匠交流サロン」を開きました。これは設立以来時間をかけて準備してきたもので、12都道府県(北海道、岩手、福島、東京、新潟、長野、岐阜、福井、富山、石川、京都、熊本)から、約20人の若手工芸家(美大大学院生を含む)と、東京を中心とした18人のアドバイザー(世界的に活躍中のデザイナー、プロデューサー、学芸員、美術館長、芸大教授など)合わせて約70名(含経営者6人、自治体2名)の参加を得て無事終了しました。

会合は、各工芸家の自己紹介(工芸への熱意と希望)、各アドバイザーのひとことアドバイスを経て、自由な交流(立食形式)に流れるという形をとって行われました。時間が全体で2時間半という制約はありましたが、最初の試みとしては十分な手ごたえがありました。特に若手工芸家同士の間に地域や分野を超えた横のつながりができたことが、大きな成果でした。これは交流会に先立って行われた作品の展示の過程で自然発生的に生まれたもので、予想していなかった成果です。

工芸家、アドバイザー、経営者などの間のコンタクトの全容を把握することはできませんが、何人かの工芸家からは、アドバイザーから有意義な提言を頂いたとの報告や、交流会の場で話ができなかった何人かのアドバイザーの連絡先を知りたいなどの要請がきており、直ちにビジネスが成立するというより、その可能性に向けて、じわじわと相互交流が進み、成果が出てくるものと思われます。

こうした機会をいかに活用するかは、工芸家それぞれの問題意識と今後の努力にかかっているのは当然ですが、私たちとして、このような方法によってどこまで匠の復活に貢献できるかを見極めるため、現在その評価と改善すべき点の議論を行っています。

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